home --* noveltop mobiletop --* 飴猫シリーズ
飴と猫とおやつの時間
時計の針が三時を指す。ここの部屋には猫耳人形が二匹。男の子と女の子。通称猫人形。
「おやつの時間だね」
「そうだね」
二匹は会話している時も、会話してない時も、表情を変えない。
「いつも飴だから」
「たまには違うものでも」
二匹は飼い主の方を見る。飼い主は何処かの高校の部誌らしい冊子を開いて何やらブツブツ呟いている。
知人曰く『悩める可憐な美少女』、『薄幸美少女』。(本当に美少女かどうかの審議とか真偽はまた別の話)
「忙しそうだね」
「忙しそうだね」
二匹は散歩に出かけることにした。
仲間のポメラニアン、タヌキチ(タヌキではない。犬である)の元へと駆けていった。
「お散歩行こう」
「また背中に乗せてほしいな」
二匹はタヌキチを散歩に誘う。
「キャンキャン」
タヌキチは散歩に連れて行ってくれるようだ。
二匹はタヌキチの上に乗って、外へと出ていった。
「部誌ってなんだろう」
「後書きで部員達が、自分の文才のなさを嘆く冊子らしい」
「大変だね」
「とある部員は、『自分は精神年齢が著しく低いのに主人公達が人生悟ってて書きづらい。困る』と言っている」
「大変だね」
「キャンキャン」
目的地についたようだ。
最初に来たのは、ミスドーナッツ。店の奥には『神』とされる人の写真と銅像があるらしい。
「混んでるね」
「混んでるね」
「違うところに行こう」
「そうだね」
タヌキチはまた違う方向へと歩き出す。
次に来たのは、クターバックスコーヒー。店員がくたばっているらしい。
(ヘターバックスコーヒーという店員がへたばっている店もあるらしい)
「ここは空いてるね」
「そうだね」
「あ」
「あ」
二匹は顔を見合わせる。
「どうやって買おうね」
「どうやって買おうね」
「お金ないね」
「カウンター届かないね」
「キャンキャン」
こうして家へと帰って行き、おやつ探索は終わったという。
「バナナはおやつに入るのかな?」
「どうだろうね」
---------------------------------------------------------------------
これは比較的最近の。
別のところで書いた話です。
home --* noveltop mobiletop --* 飴猫シリーズ
読んでいただきありがとうございました。Copyright(c) 2008 Kyo Fujioka all rights reserved.