最初から独りぼっちだったのかもしれない。
そういえば、僕の味方になってくれる人はいなかったし、僕の話を聞いてくれる人もいなかった。
最初から独りぼっちだったのかもしれない。
今まで僕がいた世界は、こんな世界だったんだ。
空を見上げる。
あぁ、これから僕は何処にいればいいのだろう。
居場所をなくしてしまったよ。
このままじゃ僕は消えてしまうよ。
空は透明な青。何処までも泳げそうに広がる。
僕が居場所をなくしたことなど、小さなことのように。
全てを受け入れそうな空は僕を包む。
何だか僕の全身に空が満たされた気分になってきた。
目を閉じて、視界を暗くする。そしてゆっくり開く。
すると目の前全てが、空に染まっていた。
奇妙な浮遊感がする。下を見ても、横を向いても、目に映るのは空色。
僕は空に抱き締められているんだ。
ふわふわ。僕は空に浮かんでいる。雲だって見える。
そのまま僕はじっとしていた。
すると、遠くの方から、雲に乗った女の子がやってきた。
雪の様に白い女の子だ。
「君は誰?」僕は尋ねた。
「私はシエラよ」女の子は答えた。
女の子は、大きな目をぱちくり瞬きした。
「僕はネージュっていうんだ」僕も名乗った。
シエラは僕を雲に乗せてくれた。
「ネージュ、あなたには居場所がないんでしょ?」
「そうなんだ。僕は居場所をなくしてしまったんだよ」
「それじゃあさ、私と二人で世界を作るというのはどう?」
「世界?」僕の目はまんまるくなっているはずだ。
「そう。ネージュの世界を作るの。ネージュの好きなものや、想像したものがいっぱいの世界」
何だか胸が躍ってきた。楽しそうだ。
「僕、シエラと世界を作ってみたいよ!」
答えた途端、空にたくさんの色が浮かんだ。
青と白に加えて、桃色や黄色などのパステルカラーが浮かんだ。
それは、シャボン玉であったり、小さな雲だったりした。
「さぁネージュ、私達の世界を作りましょう」
僕とシエラは、世界を作った。
僕の空想した世界が、そこにはある。
これからこの世界が僕の居場所。
僕とシエラは、この世界を広げていく。
その世界の名前は……
Sky And Powdersnow Wonderland...
Thanks! 1st Anniversary☆★
By 空と粉雪ワンダーランド
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2008.12.03
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